Global Innovator Solutions
大企業のオープンイノベーション

Aki Machida

大企業におけるオープンイノベーションは殆どの場合上手く行きません

(衝撃的な題ですが、本当のようです。その手の声が多いのも事実です。)

元スタンフォード大学の櫛田教授がこの辺りを2017年にまとめています。

「シリコンバレーの日本企業が陥る、10のワーストプラクティス」

https://techblitz.com/kushida1/

https://techblitz.com/kushida2/


その後、コロナが開けて2023年に

「新規事業で日本企業が陥る5つのワーストプラクティス」の前編と

https://techblitz.com/stanford_kushida_njs01/

更に後編が出ました。

https://techblitz.com/stanford_kushida_njs02/


ご安心を。この中には日本企業がいかに成功しているかも入ってます。

https://techblitz.com/open-innovation-case-studies-2021-vol1/


シリコンバレーに日本企業が進出しなければいけない理由とは。

閉塞感満杯の日本では事業部間のコラボでもやれば新事業開拓ができそうなものの、任期の決まった社長・役員さんや事業部からの生え抜き社長さんだと全社的なカリスマ手法が取れず、外部にコネクションを求めてしまうケースが多いとか。バブルが弾け、リーマンショックで打撃を受けた企業の多くは人員カットができないまま、早期退職のタイミングを失い、ボーナスなどコスト削減に走って利益を確保する戦略に転換したため、経費3Kのみならず、開発資金、派遣留学まで削減となり、失われた30年を創ってしまったという話です。


その間、内部留保だけは確保したので、使い途としてスタートアップ投資に走っている企業が多い、という見方があるようです。そもそも同一企業やグループ企業内、事業部間で仲良くできないのに川向こうさんとうまく出来る確率はとても低いというのが分かります。ましてや言葉も習慣も車が走る車線も違いますから選定や準備が疎かであれば、茹でガエルが天ぷら鍋に飛び込む様なものです。泳げなくても水に飛び込めばなんとかなる式の無茶は、シリコンバレーという溶岩の海に飛び込めば即死です。カゲロウの立つ油の上を走り抜く意欲と気概と実力が無いと目標にはたどり着けないとどなたかが言ってましたが、まさにその通りだと思います。


硬直化した研究・開発部門ではどうにもならないから海外の発送豊かな案件を探しに来たんだという話を伺いました。これは砂漠でコンパスもなしにオアシスを探しに出かけるようなもの。

伺うと売上の1%程度の駐在費用では広告予算や人材教育と同じ。むしろこうした活動を日本にいるだけの上層部がやることで、社内を奮い立たせているのではないかと感じます。これでは3年任期で駐在を回してシリコンバレーごっこ(某駐在員さんの談)をやっても成果は出ません。やってる感だけの旗振り取締役任期が来るとイノベーション活動がパンクしたタイヤのように萎んでしまいます。


以上のようなネガティブな話が多い中、地道に成功している企業も見逃せません。Sony、Honda はもちろん、JAL、Hitachiシステムソリューション、NEC、日本を代表する総合商社もほぼ全て、皆成功しています。ですが大企業のマネをしても一朝一夕では無理です。彼らだって10年以上粘っこくやってきたから今があるのです。


VC経由のLP投資やCVCを起こして近道しようとしても、うまく行かないことは明白です。成果出すのに7年はかかる事を覚悟しないといけないでしょう。近道や裏道はありません。ChatGPTや外資コンサル・大学教授にお願いしても、実務経験がなければ、過去の成功失敗例をいくら帰納法でかき集めても、最大公約数情報しか得られないでしょう。これではパラドックスです。アルキメデスが頑張って亀の居たところに追いついても亀はアルキメデスの来た半分先に進んでいるのですから。


第一、今日本が追っかけているのは亀じゃありません。死に物狂いで世界を変えてやろうと寝食忘れて取り組んでいるエリート・アントレプレナーの集団です。見下して判子を押している間に飛んでいってしまいます。スピード感のない日本企業さんは大企業さんの問題だけではありません。


私はスタートアップでサプライヤ開拓をしていましたから言えるのですが、3年で担当が変わるようなこと続けていたら、信用問題です。10年近く付き合っていただいた方々には頭が上がりません。


駐在になるためには手を挙げてはいけないという話も聞きました。出世レースから遅れるという理由です。私からすると、そんな受け身的な人は間違っても出世レースのリストには載っていません。大企業の場合、シリコンバレーや西ヨーロッパへの駐在は宝くじ当選に等しく、多くの場合は後進国で、それは島流しと言っているようです。駐在選定基準も無く、ミッションもKPIも無いのに、英語も話せない帯同者を連れて3年間行って来いなんていうのは強すぎる人事の悪例です。


ならば、エースを派遣したりせず、お金をかけず、従業員の家族にも負担を強いず、2軍選手を出張ベースで合宿所にミッション探しとして複数回送り込んで、シリコンバレーの生きたスポークスマンを増やしてはと思います。ミッションが見つかれば、それをゴールとした派遣を精査して決めれば良いのです。


シリコンバレーに来ると、天気が良いですから皆開放的で、気さくですから、「日本では繋がりにくい日本企業同士でも、SVならオープンマインドで繋がりやすい」です。ですから、無理に文化の違う外国企業とつながる必要はないでしょう。日本企業と繋がると、POCも国内でやりやすいです。SVにはそういう交流の場がちゃんとあります。


私のお薦めは何と言ってもPlugAndPlayTechCenterです。無理に子会社を設立してオフィスを借りたりするのではなく、こういったコワーキングスペースに小さなスペースを借りて活動を開始すれば良いのです。WeWorkと比べてここでの活動はインタラクティブに出来ます。スタートアップへの投資もする事業体なので、イベントも多いし、VCもたくさん集まります。したがって、多くの日本企業がオフィスを構えています。富士フイルム時代にコロナで活動が制限された時、いち早くこの場所に打って出て、大正解でした。


NECさんのガラス壁のお隣に富士フイルムのオフィスを構え、パーティションの向こうに東洋紡さんがおられました。その後、通路の向かえに入居したのが積水化学さんと豊田紡織さんです。あとからその並びに小糸製作所さんが来て、裏手にはJRCさんも来られました。こんな感じです。


積水さんの成功事例は前任の佐々木さんのレポートがPNPTCより出ています。私も頂きました。


もう一つ紹介できるコミュニティーがサンマテオにありますが、富士フイルム時代に紹介しまくったので、人気が出すぎてしまい、現在は入会を制限しているとのことなので、この場では紹介いたしません。

最近パロアルトにもビル大手のコワーキングスペースが出来ましたが、魅力的なイベントを定期的に開催して、人とお金をどう集められるかがコワーキングスペースの成否を分けます。話もできない静かな「孤ワーキングスペース」の提供だけなら自宅のほうがよほど効率いいでしょう。


日本はそこそこ市場が大きいですし、既得権保護の規制が沢山ありますから、むしろ日本企業は日本で大活躍したほうが良いと思います。日本のやり方をUSに押し付けて成功した例はトヨタのカンバンとゲームくらいではないでしょうか?逆にアメリカですでに成功している方法を日本に持ち込んでひねりを加える伝統的な手法が良いでしょう。


世界に打って出たい人がいるのなら、まず日本で成功してからという手法はやめましょう。リスクを取れる人は始めからシリコンバレーに来たほうがいいです。そういう人は、私も応援します。今の若者は外に出たくないと、ステレオタイプに大人たちが言っているのを聞きますが、どうしてどうして、最近シリコンバレーに来る20代前半(高校生もいます)は英語も問題なく、起業精神に溢れていますよ。


どうして私が50歳でシリコンバレーに居ながらスタートアップに飛び出せたか分かりますか?これ以上の話は本来有償でのご案内になりますが、日本では情報はタダという認識があります。Zoomでの情報交換という議題で実際には3L(Listen, Learn, Leave) で報酬もありませんので、今後はZoomではなく、せめてこちらにお越しになり、会食の場を作っていただければ実体験をご紹介いたします。


なお、私の予定はこちらから空き時間を見ることが出来ます。


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