Aki Machida
この話は、
- 日本企業で新規事業を担当している方
- 技術は強いのに売れないと悩んでいる会社
- 米国市場で戦いたい人
に向けて書いています。

私は40年以上プロダクトマーケティングに携わり、世界市場で累計1兆円を超える事業創出に関わってきました。本記事では、その経験から『なぜ売れる製品と売れない製品が生まれるのか』を解説します。
皆さんは物を売ったり、サービスを提供したり、ルーチンワークをこなしていると思います。
では、その相手やお客様があなたの貢献によって何を実現しようとしているか、大切にしている・したいものは何か、本当にあなたの貢献が役に立つのか、どういう成長や成功をもたらすか、考えたことありますか?
それが分かって、言語化出来て、あなたの貢献が受け入れらたら、あなたの計画は成果を生みだすでしょう。
これが可能性を高めるマーケティング・マインドです。
セールスの人は「売る」ことが仕事です。マーケティングは「売れる仕組みを作る」ことが仕事と言われます。
しかし、その先のニーズが見えていないと訴求力に乏しいマーケティングになってしまいます。
私が2019年に初めて日本の大手企業に入り、他の日本企業とも関わるようになって驚いたのは、未だにプロダクトアウトの考え方が強いことです。
要は、「こういう技術があって、こういうものを作ったので、なんとか売れませんでしょうか?」という相談です。
「Who, What, How」というマーケティングの基本から、はじめのWHOが無い企業活動が浸透してしまったんですね。
じゃあ、どうしたら良いか、可能性を考えてみましょう。
まず、ちゃんとしたマーケティング部門を作ります。
私が富士フイルム時代に各社に聞いたところによりますと、マーケティング部門が独立して存在する日本企業がとても少ないことに驚きました。
どういうマーケティングをしているか聞くと、営業部隊の中にマーケットリサーチをする部隊があって、それがマーケティングだという会社。
もうひとつは開発部隊の中に製品企画担当がいて、その方々がちょっとだけ客先周りをして、レポートをまとめるマーケティング活動をしているのだと。
これ、本当に危ない間違いです。
外資系企業の場合は必ずと言っていいほど、マーケティングがあります。広告などを担当するMARCOMというマーケティング・コミュニケーションの部署と、事業部直轄のプロダクトマーケティングです。
プロダクトマネージャの重要性を言語化した記事がこちらにあります。
プロダクトマネージャはポジションのことで、
https://www.geekly.co.jp/column/cat-position/1902_030/
プロダクトマーケティングが理念です。
https://www.geekly.co.jp/column/cat-position/pmm_jobdetail/
開発の人が製品を企画すると、自社の技術に固執したり、技術偏重の企画になり、忖度が起きます。これが「ニーズがなかった」元になります。
私は米国本社で行われた開発部隊との製品企画会議で、要求仕様を下げて歩留まりを確保しないと事業化できないと、反対されました。
その経理寄りの提案に対して、私はペンを床に投げつけました。
「1が満たせなければ0.9も0.7も、ましてや0.5なんか無いんだ!ゼロなんだよ!そんな製品で妥協なんか絶対にできない!」、と涙出しながら力説しました。
流石に事業部長もびっくりしたようで、結果、この製品企画がとおり、日本のモーターコントロール機器メーカほぼ全てに採用されました。妥協してはいけ無いという例です。
また、営業さんの意見は「売りやすい、手離れの良い」ものを求めていますから、プロダクトマーケティングはお客のお客まで知る必要があります。
なぜなら購買さんモチベーションはとにかく「安く」買いたいわけですから、「価値」を上げる訴求は真反対の活動なので、受け入れ難いのです。
ある会社で材料部門から電子部門に移ってきた購買さんに会ったときは、開発中の電子部品を手の平に載せて、この重さじゃ100円も払えないね、と言われたときは愕然としました。
その時はこの製品には金(GOLD)より高い価値があります、と言ってその場をしのいだことがあります。当時は1グラム2000円でした。今は2万円強ですね。ポイントは「重さではなく、得られる価値に対して価格は決まる」ということです。
営業さんは概ね一匹狼で他の営業手法や他の客先は「違う」と捉えて、頑なです。(違うという人がいましたら済みません)。
圧倒的性能を誇った私の企画商品は競合と比較して全く調整不要だったので、競合品の価格の2倍以下では応対しないという価格戦略をとりました。調整時間の時給を考慮すると圧倒的に有利だったからです。
当然、その過程では営業から烈火の文句が来ましたし、特約店会議では私が営業阻害要因と呼ばれるほどやり玉に挙げられました。でも譲りませんでしたし、営業部長も後ろ盾となってくれました。
私は4人のバイヤー(ストラテジックセリング参照)をすべての顧客で把握していたので、何が価値として訴求できるか理解してましたから、絶対に勝てる自信がありました。
何度も、営業と同行して訴求点をアピールし、結果、全戦全勝。営業さんのインセンティブを上げることも出来たのです。
つまり、マーケティングとは売れる仕組みづくりの他に、企業価値を高める活動も含まれています。
営業さんだけでは市場を作れません。
開発の方も営業やマーケティング無しでは市場は作れないのです。
もし作れているなら、その方はマーケティングセンスが有るということになります。
小さくとも、大きくとも市場作りをまとめるのがプロダクトマーケティングの仕事です。ですから、他部署に忖度せず、真のニーズを追い求めて、製品やサービスの企画を立て、会社の利益増大に邁進するのです。
言い換えると、プロダクトマーケティングがあって、機能している会社は伸びるし、無い会社は早いうちにプロダクトマーケティング人材を育てるか、アドバイザーを味方にしたほうが良いです。
その代わり、活動は熾烈を極めます。それをブラックと思うか、α波を発しながらパッションと捉えるかですね。
40代の私は血気盛んでした。人の3倍やって極めれば出来ると言われて、激務をこなしました。Win-Win-Winの結果が付いて来ればよしとしませんか?
成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないこと。
成功した人は、失敗した人が諦めずに何度もトライした結果です。
好きの反対は嫌いではなく、興味を持たないことです。
ですから、仕事を好き嫌いで決めつけるのではなく、興味を持てば好きになります。
失敗は影響が小さいうちに失敗することが良しとされます。シリコンバレーのカルチャーです。
なお、プロダクトマーケティングも小さい成功を積み重ねてゆくことが、大きな成功となります。
戦略販売のところでも述べていますが、売れる時の条件は3つしかありません。トラブルか、グロースか、インフルエンサです。なので、Who-What-Howは出来るだけ細かく、確実に成功出来るマーケットを定義して、実際に成功するのです。いきなりブルー・オーシャンに行っても獲物は一匹もいません。
成功するために必要なのは
- Whoを徹底的に考える
- 顧客の顧客を見る
- 妥協しない
- 小さな成功を積み重ねる
- 市場を創る意識を持つ
以上がプロダクトマーケティングで成功する条件でしょう。
もっと聞きたい、壁打ち相手になって欲しい、という場合はご連絡ください。
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Zoomは出来ればそちらでセットアップしてください。録画もお勧めします。
自己紹介のEmailは事前にお願いします。
最初は履歴書だけでもLinkedInだけでも結構です。
(冒頭の写真は有名な漫画で、お客の欲しいものはタイヤが木からぶら下がったブランコにも関わらず、営業が聞いてきた話や、開発が作ってきたものはぜんぜん違うものになっているという比喩です。
https://www.zentao.pm/blog/tree-swing-project-management-tire-analogy-426.html
より拝借しました)
