Aki Machida
ずばり、可能性です。
皆さんは物を売ったり、サービスを提供したり、ルーチンワークをこなしていると思います。
では、その相手やお客様があなたの貢献によって何を実現しようとしているか、大切にしている・したいものは何か、本当にあなたの貢献が役に立つのか、どういう成長や成功をもたらすか、考えたことありますか?それが分かって、言語化出来て、あなたの貢献が受け入れらたら、あなたの計画は成果を生みだすでしょう。
これが可能性を高めるマーケティング・マインドです。
セールスの人は「売る」ことが仕事ですが、マーケティングは「売れる仕組みを作る」ことが仕事と言われます。しかし、その先のニーズが見えていないと訴求力に乏しいマーケティングになってしまいます。
高度成長時代から1990年くらいまで、QCDSと軽薄短小でハードウェアを極めて成功した日本は、この成功方程式を当てはめる新しい対象物や産業がなくなってしまいました。ソフトウェア軽視でインターネットをいかがわしいものと捉えてしまい、「働きすぎ」を諸外国から責められ、残業規制が始まり、祝日が増やされ、ゆとり教育が議論され実施されてしまったことで、「2位でもいいじゃない」という愚民化が進んでしまいました。国際化に必要な英語教育も21世紀に入ってから本格導入ですから、役に立つ英語を話せる人が中堅社員になるのは2030年くらいでしょう。
私が2019年に初めて日本も大手企業に入り、他の日本企業とも関わるようになって驚いたのは、未だにプロダクトアウトの考え方が強いことです。要は、「こういう技術があって、こういうものを作ったのですが、なんとか売れませんでしょうか?」という相談です。HP社でのマーケティングは「成功計画」として80年代の後半から染み通っていましたが、日本はQCという形で、「課題解決」が性格的に受け入れられ、「Who, What, How」というマーケティングの基本から、はじめのWHOが無い企業活動が浸透してしまったんですね。
じゃあ、どうしたら良いか、可能性を考えてみましょう。
まず、ちゃんとしたマーケティング部門を作ります。私が富士フイルム時代に各社に聞いたところによりますと、マーケティング部門が独立して存在する日本企業がとても少ないことに驚きました。どういうマーケティングをしているか聞くと、営業部隊の中にマーケットリサーチをする部隊があって、それがマーケティングだという会社。
もうひとつは開発部隊の中に製品企画担当がいて、その方々が客先周りもせずにマーケティングをしているのだと。
これ、本当に致命的に大きな間違いです。
プロダクトマネージャの重要性を言語化した記事がこちらにあります。
プロダクトマネージャはポジションのことで、
https://www.geekly.co.jp/column/cat-position/1902_030/
プロダクトマーケティングが理念です。
https://www.geekly.co.jp/column/cat-position/pmm_jobdetail/
開発の人が製品を企画すると、自社の技術に固執したり、技術偏重の企画になり、忖度が起きます。これが「ニーズがなかった」元になります。
私は米国本社で行われた開発部隊との製品企画会議で、要求仕様を下げる提案に対してペンを投げつけたことがありまして、結果、この製品企画がとおり、日本のモーターコントロール機器メーカほぼ全てに採用されました。妥協してはいけません。
また、営業の意見は「売りやすい、手離れの良い」ものを求めていますから、お客のお客まで調査する感度が必要です。なぜならお客の心理は「安く」買いたい(だけ)ですから、「価値」を上げる訴求点は把握できないのです。ある会社で材料部門から電子部門に移ってきた購買さんに会ったときは、開発中の電子部品を手の平に載せて、この重さじゃ100円も払えないね、と言われたときは愕然としましたが、この製品には金(GOLD)より高い価値があります、と言ってその場をしのいだことがあります。
営業さんは概ね一匹狼で他の営業手法や他の客先は「違う」と捉えて、勉強しようとはしません(違うという人がいましたら済みません)。圧倒的性能を誇った私の企画商品は競合と比較して全く調整不要だったので、競合品の価格の2倍以下では応対しないという価格戦略を推し進めました。当然、その過程では営業から烈火の文句が来ましたし、特約店会議では私は営業阻害要因と呼ばれるほどやり玉に挙げられました。でも譲りませんでした。私は4人のバイヤー(ストラテジックセリング参照)をすべての顧客で把握していたので、何が価値として訴求できるか理解してましたから、絶対に勝てる自信がありました。何度も、営業と同行して訴求点をアピールし、結果、全戦全勝。営業さんのインセンティブを上げることも出来たのです。
つまり、マーケティングとは企業価値を高める活動なのです。営業は市場を作れません。開発も市場は作れません。小さくとも、大きくとも市場を作るのはマーケティングの仕事です。ですから、営業や開発に忖度せず、真のニーズを追い求めて、製品やサービスの企画を立て、会社の利益増大に邁進するのです。
言い換えると、マーケティングがあって、機能している会社は伸びるし、無い会社は衰退してゆくと断言して良いと思います。その代わり、活動は熾烈を極めます。それをブラックと思うか、α波を発しながらパッションと捉えるかですね。40代の私は血気盛んでした。偏差値60の大学を出て、TOEIC600程度でしたが、人の3倍やって極めれば出来るんです。結果が付いて来れば誰も文句は言いません。
成功の反対は失敗ではなく、挑戦すること。
成功した人は失敗した人が、諦めずに何度もトライしたからです。
好きの反対は嫌いではなく、興味を持たないことです。
ですから、仕事を好き嫌いで決めつけるのではなく、興味を持てば好きになります。
もっと聞きたい、壁打ち相手になって欲しい、という場合はご連絡ください。
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Zoomは出来ればそちらでセットアップしてください。録画もお勧めします。
自己紹介のEmailは事前にお願いします。
最初は履歴書だけでもLinkedInだけでも結構です。
(冒頭の写真は有名な漫画で、お客の欲しいものはタイヤが木からぶら下がったブランコにも関わらず、営業が聞いてきた話や、開発が作ってきたものはぜんぜん違うものになっているという比喩です。
https://www.zentao.pm/blog/tree-swing-project-management-tire-analogy-426.html
より拝借しました)